劇場版『東京喰種』
※ネタバレあります
※あんまり褒めてないです
※原作もアニメ版も全く知らないまま見に行ってます
さて。見てきまして。
完全なキャスト目当てに。
何を隠そう、私はミッチー目当てというだけで、キャシャーン実写版を楽しく見られる人間ですので、
今回の東京喰種もマドクレさんのビジュアルが解禁になったとき、これはイケる!と思ったものでございましたが。
さてこの映画、とんでもなくベタです。ドの付く王道です。原作に全く触れてない人間でも、解らなかったことが何もないくらいの親切設計となっております。
丁寧なフラグ立てと迅速な回収によって、伏線自体を忘れてしまうということもなく。
まあ解りやすいのはともかくとして、「んな馬鹿な」な御都合展開も多々あったりしてるんですけどね。
真戸の指輪の見え方とかね。
全体的にこう、笑うとこじゃないんだろうけど笑いそうになるシーンやカットがチラホラと見られまして。
カメラに対して正対しているマドクレさんのバストアップで、前髪が優雅になびくカットとか。
(おじさんの前髪が美しく揺れるカットをわざわざ撮ったのかと思ったら吹き出しそうになった)
カネキとトーカの特訓シーンとか
(ベス○キッドかな?)
あとカグネの描写やグールの眼の描写、アクションの雰囲気とか、あと日常シーンの演出とかが、どことなく往年の特撮っぽいなあと思いまして。
80~90年代くらい?
特にカグネの質感やなんかは、ハイテクノロジーな技術を駆使して造られてるんでしょうけど、なんだかゴムっぽいといいますか。
外皮がウルトラ怪獣っぽいといいますか。
ワイヤーアクションも、とても懐かしい感じがいたしました。
私が子供の頃見てたワイヤーアクションの、まさしくあの動き。
そんな中でも、出演者のみなさん、豪速球でねじ伏せる系の芝居で振り切ってて素晴らしかったですね。
特に主演の窪田くん。
そして村井さんに大泉さん。
このお三方は剛腕というか強肩というか。いや~、投げる球が速いこと速いこと。
亜門の鈴木さんは、そこまで球速はなくとも、ブレのないストレートをバシバシ投げられてて。
鈴木さんのお芝居は、ルースヴェルトゲームからずっと好きです。
あのドラマでは不気味な敵役でしたが、こちらでは真っ直ぐな正義を貫く捜査官で。好かったです。
そういえば真戸の「手足をもがれても戦え」という台詞。
最終的にまさにその通りになられまして、「モロかよ」と心の中で突っ込まざるを得なかったわけですが(笑)
でも原作ファンの同行者の話だと、原作にもあった流れらしいので。
まあ……元が漫画ですからねー。
こういうとこ、エピソードの取捨選択むずかしいですよね。
捨てすぎると原作ファンが怒るし。
採用しすぎると、映画としての成立が厳しくなってくるし。
二次元では成立しても、三次元では難しいことって、やっぱりどうしてもどの漫画でもありますもんね。
脚本はプロペラ犬の楠野さんだったということですが、ほんとお疲れさまです(笑)
まあ、大泉さんの声のお芝居の器用さは堪能できましたし。
(アニメ版の真戸が大川さんだと聞いて、もしかして大泉さん、大川さんに芝居寄せてる?と思ったり)
前述の実写キャシャーンのミッチーばりの、美しい吐血も見られましたし。
美しい死に様という意味では、カウラに次ぐ美しさだったんじゃないかなあ。
そういった意味では、けっこうおすすめです。
あとグロ描写に関してですが、血液や肉片の描写はそこまでリアル感もないので(やっぱりゴムっぽい)大丈夫なんですけど、
嘔吐描写のほうがわりかしリアル、というか本当に吐いてる感がすごいので、そっちの意味では食欲なくなっちゃうかもですのでお気をつけて。